鈴木 祐
適正なキャリア選びのための正しいステップ
- 好きなことを仕事にしようは、その大半が個人の経験や嗜好にしか基づいていない。自分の価値観やライフスタイルを組み込んだ自分だけの適職の選び方を編み出す必要がある
- 就職や転職の失敗は7割が視野狭窄によって引き起こされる。自身過剰や逆に自身喪失による事、収入や直感で選んでいることなど、失敗の原因は多々あるが、そこから得られる教訓は、「仕事選びについてもっと徹底的に考え抜くべきである」ということ
- キャリア選びを間違える原因は①職業選びという大量の選択肢に対して、人間の脳は適応していないため多くの不安や混乱の感情に襲われること②偏見、思い込み、思考の歪み、不合理性などの人間の生理的エラーが存在していること、の2つ
- 幸福な仕事選びに必要なステップは①幻想から覚める②未来を広げる③悪を取り除く④歪みに気づく⑤やりがいを再構築する
- このステップの目的は①意思決定の精度を上げて正しい仕事を選ぶ、②正しい仕事を通して人生の幸福度を上げる
①幻想から覚める
- 「幻想から覚める」とは、適職探しにおいて陥りがちな「思い込み」に当てはまっていないか注意すること。
- ①好きを仕事にする
- ②給料の多さで選ぶ
- ③業界や職種で選ぶ
- ④仕事の楽さで選ぶ
- ⑤性格テストで選ぶ
- ⑥直感で選ぶ
- ⑦適正にあった仕事を求める
②未来を広げる
- 「未来を広げる」とは、視野狭窄から抜け出すこと。「この仕事は良さそうだ」と思った瞬間から思考が狭まり、それ以外の選択肢に目を向けられなくなってしまう。
- 仕事の幸福度を決める7つの徳目で視野狭窄に陥らないようにチェックすべし
- ①自由:その仕事に裁量権はあるか
- ②達成:前に進んでいる感覚は得られるか
- ③焦点自分のモチベーションタイプに合っているか
- ④明確:なすべきことやビジョン、評価軸はハッキリしているか
- ⑤多様:作業内容にバリエーションはあるか
- ⑥仲間:組織内に助けてくれる友人はいるか⑦貢献:どれだけ世の中の役に立つか
③悪を取り除く
- 「悪を取り除く」とは、幸福な仕事選びを妨げる要素を排除する事。ネガティブはポジティブの6倍強い。特に「時間の乱れ」「職務の乱れ」は働く上で体や心を壊すほどのダメージがある
- 労働時間や職務の乱れの具体的ケースは①ワークライフバランスの崩壊②雇用が不安定③長時間労働④シフトワーク⑤仕事のコントロール権がない⑥ソーシャルサポートがない⑦組織内に不公平が多い⑧長時間通勤
- 思い込み・視野狭窄・仕事選びの悪要素、これらを加味した意思決定を行うための分析ツールを用いて分析し、意思決定を行う
④歪みに気づく
- 「歪みに気づく」とは生まれつき人間に備わっているバグ、「バイアス」を意識すること
- 自分がいったん信じたことを裏付けてくれそうな情報にしか目がいかないという「確証バイアス」
- 先に提示され方によって、全く異なる決定をしてしまう「アンカリング効果」
- 繰り返し目にしただけでその情報を真実だと思ってしまう「真実性の錯覚」
- 自分が重要視するポイントが、本来より重要視されなければいけないポイントより重要性を大きくしてしまう「フォーカシング効果」
- 自分が重要視するポイントが、本来より重要視されなければいけないポイントより重要性を大きくしてしまう「フォーカシング効果」
- いままで時間とお金を使ってきたという理由でメリットがない選択肢にいつまでもこだわってしまう「サンクコストバイアス」
- 自分の考えが間違っているという確証があるのに、ポジティブな感情を引き出してくれる情報に跳びついてしまう心理傾向である「感情バイアス」
⑤やりがいを再構築
- 「やりがいを再構築」とは、「幻想から覚める」「未来を広げる」「悪を取り除く」「歪みに気づく」という4つのステップを踏んで現在の職場を見たときに、「今の職場でいていいのか」を判断するための分析を行い、それに基づき行動すること。
- 「ジョブクラフティング」とは自分の仕事を価値観に基づいて捉えなおす手法。例えば、コンビニのレジ打ちの仕事を「ただのレジ打ち」として行うのか、「お客様に気持ちよく買い物してもらうための仕事」として行うのかで主体的に取り組む仕事への意識へと変わっていく。ジョブクラフティングを行い、再度仕事のアクションプランを見直すことで、幸福な仕事かどうかを判断する
- 無計画のまま享楽的に生きるのではなく、かといって適職の幻想を追い続けるのでもなく、目の前の選択肢についてしっかり考えたら、あとは人生の流れに身を任せる
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