デイヴィッド・ローベンハイマーとスティーヴン・J・シンプソンの共著『科学者たちが語る食欲 ~食べすぎてしまう人類に贈る食事の話~』は、食事と栄養の科学、そして我々の食欲についての探求を描いた一冊です。この本は、現代人がより健康的な食生活を送るための知識と理解について書かれています。
食欲とはタンパク質欲
・人間の食欲は5種類ある
①タンパク質②脂質③炭水化物④カルシウム⑤ナトリウム
・私たちの食欲は特定の風味に照準をさだめ、生存に必要なものだけを食べるよう進化した
・胃がない人にも空腹感はある。空腹感に胃は関係ない
・特にタンパク質が不足すると、その不足を埋めるまで食べ続ける
・その結果、一つの食品に対して含まれるタンパク質の量に対し、脂質や炭水化物のほうが多く含まれるため、不足したタンパク質が満たされる食事の量を摂取した時に結果的により多くの脂質や炭水化物を過剰に摂取してしまう「タンパク質レバレッジ」が発生する
栄養素と生態コントロール
・摂取カロリーを減らすと寿命が伸びる
・それと同時に摂取カロリーの減少は生物の繁殖数を減少させる
・低タンパク質・高炭水化物は寿命に好影響を与えるが、低タンパク質・高脂質は寿命に悪影響を与える
・三大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物)の比率で、生態をコントロールできる
・炭水化物の中でも特に食物繊維は食欲をすぐに満たし、腸内細菌の餌になることで腸内環境を整える
現代の食環境
・現代は超加工食品によって食環境が悪化している
・超加工食品とは、食品由来ではない石油などの化学物質を原料とした食品添加物などを使用した加工食品
・超加工食品によって、人間本来に備わっている食欲が乱され、より多量の食品を摂取するよう操作されている
・食品メーカーは自社商品が売れるように超加工食品を意図的に配合し、かつ食物繊維を排除することで味を良くすると同時にさらに過剰に食べられるようにしている
正しい知識で食事を行うことが重要
・自分のタンパク質ターゲット(自分にどのくらいのタンパク質が必要なのか)を理解する
・ハリス・ベネディクト法 自分の年齢×0.15~0.2/4で一日に必要なタンパク質摂取量を計算する
・超加工食品を避ける
・高タンパク質食品を摂取する。ただし、成長期・妊娠期は高タンパク低炭水化物、40代の中年期は低タンパク質高炭水化物、老齢期は高タンパク低炭水化物がよい。年齢に応じて食事におけるタンパク質比率は変える必要がある
・炭水化物は食物繊維を食べる
・運動時は20~30g多くタンパク質を摂取する
・食べない時間を一日の中で作る間欠的断食・時間制限摂食だけでも健康に効果がある
実際に私も空腹時にプロテインバーを食べたり、食物繊維を多く含まれる食材を使用して食事を作ってみたりしてみましたが、かなり食欲が抑えられているように感じました。食事は各々の独自のスタイルを持っているとは思いますが、一部だけでも取り入れられる部分があれば取り入れてみることをお勧めします。
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