『影響力の武器 なぜ 人は動かされるのか』は、心理学者ロバート・B・チャルディーニが、人々がどのように影響を与えられるかを説明するために書かれた書籍です。本書では、人々が影響を受けやすい6つの武器(原則)が紹介されています。
その中でも最も強力な影響力の武器が一つ目の「返報性のルール」です。
このルールによると、人々は何かをされたら、お返しをせずにはいられないということです。このルールはとても強力で、相手が望んでいない厚意であっても、適用されてしまうことがあります。例えば、余計なお世話でも、相手は恩義を感じることがあります。
二つ目の武器は、「一貫性のルール」です。
一貫性のルールとは、人々が自分の言葉や考え、行動を一貫したものにしたいという欲求があるという原則です。特に自分の言葉や考え・行動をコミットメントした後には、一貫性に固執しやすくなります。
3つ目は「社会的照明の原理」です。
社会的照明の原理とは、他の人々が何を信じているのか、どのように行動しているかという判断基準で、自分の行動を決定するという考え方です。特に自分の決定に確信が持てない時に、この現象は強い影響力を持っています。自分に近い価値観や立場を持つ人々の意見や行動が、自分にとってより信頼性が高く、影響力が大きいと感じます。
4つ目は「好意」です。
好意は、私たちが他人にイエスと言う傾向に大きな影響を与える要因の一つです。身体的特徴や魅力は、ハロー効果を生じさせます。これにより、相手の才能や親切さ、知性といった他の特性まで高く評価される傾向があります。人は自分に似た価値観や趣味を持つ人に、自然と好意を感じる傾向があります。また、称賛やお世辞も好意を引き出す効果があります。
5つ目は「権威」です。
権威を持つ人や専門家の意見には、人々が従う傾向があります。これは、権威者が優れた力と知識を持っているという思い込みから来ています。しかし、これによって短絡的で思考を伴わない意思決定が生じることがあります。また、権威者そのものでなく、単なるシンボル(肩書・服装・車など)に反応する場合があります。
6つ目は「希少性」です。
人は機会を失いかけると、その機会をより価値のあるものとみなす傾向があります。モノや経験の入手困難さが、それら自体に価値があると判断する手掛かりになります。
科学技術の進歩で変化と選択の幅が拡大し、意思決定のペースが早い傾向があります。その結果上記の6つの影響力に従って短絡的に意思決定をしがちです。6つの影響力を理解し、自分の意思決定に対する影響をコントロールできるようになりましょうというお話でした。
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